アルトコインやステーブルコインなど、仮想通貨に関する記事を理解するために必要な、基本的な用語をわかりやすく解説しています。
基礎用語
アルトコイン
ビットコイン以外の仮想通貨の総称。仮想通貨は2023年4月時点で23,000種類を超えています。
※CoinMarketCap トップページ左上に総数が表示されています。
草コイン
知名度がなく時価総額が低い仮想通貨の総称。
ステーブルコイン
価格の安定性を実現するように設計された仮想通貨。価格変動が激しく決済手段に適さない仮想通貨の普及を目的としています。大別して以下の4タイプに分類できます。
- 法定通貨担保型:米ドルなどの法定通貨を担保にコインを発行し、その法定通貨との交換比率を固定している。
- 暗号資産担保型:特定の暗号資産(仮想通貨)を担保にコインを発行し価格を連動させている。
- コモディティ型:金や原油などの商品(コモディティ)価格の値動きに連動させている。
- 無担保型 :アルゴリズムによってコインの流通量を調整している。
暗号資産交換業者
暗号資産(仮想通貨)を取引できるサービスを提供している企業。日本国内居住者向けに仮想通貨の取引サービスを提供するためには金融庁・財務局への登録が必要です。
暗号資産交換業者が提供する取引の方式は以下の2通りです。
・販売所方式…取引相手は暗号資産交換業者となる。暗号資産交換業者が提示した価格で売買する。
・取引所方式…取引相手は他の顧客。顧客同士の需給によって価格が決まる。
暗号資産交換業者登録一覧:kasoutuka (fsa.go.jp)
ウォレット
ブロックチェーンにアクセスし仮想通貨の取引を可能とするための「秘密鍵」を保管する「入れ物」。ウォレット自体に仮想通貨が格納されているわけではありません。ウォレットは大きく以下の2つに分類できます。
・ホットウォレット :ネットワークに常時接続しているウォレット。
・コールドウォレット:通常はネットワークに接続せず、取引を行うときのみ接続するウォレット。
Metamask:メタマスク
イーサリアム系ブロックチェーンの通貨を一括管理できるソフトウェアウォレット。ブラウザ拡張機能版とモバイルアプリ版があります。ConsenSys社によって開発・運営されています。2016年9月公開。
GOXする
仮想通貨取引所から仮想通貨が流出すること。2014年2月に発生したMt.Gox事件(ハッキングによるビットコイン流出事件)に由来しています。
セルフGOX
自分の不注意により、所持する仮想通貨を紛失または引き出せなくしてしまうこと。仮想通貨を間違ったアドレスへ送金することで発生します。
dox
ハッキングされた個人情報。動詞として使われる場合は、個人情報をインターネットで晒す(暴露する)という意味で使われます。Documentsの略語Docsが語源。doxxと表記されることも。
DYOR(Do Your Own Research)
仮想通貨の取引などにおいて、やり方が判らないときは安易に人に頼らず、自分自身で調べなさい、ということ。判らないことをSNSや不特定多数の参加者がいるコミュニティで質問すると詐欺師が寄ってくるため、自身で調査することを奨励する言葉です。
Satoshi
ビットコインにおける、これ以上分割できない最小通貨単位。
1 Satoshi = 0.00000001 BTC(BTCの1億分の1)
半減期
仮想通貨における半減期とは、マイニング報酬の仮想通貨の量が半分になる時期を指します。ビットコインなどのマイニング報酬は、インフレを抑制するため一定期間ごとに半減するように設計されています。おおよそ4年に1度半減期を迎える仮想通貨が多いですが、正確にはブロックの生成スピードによって決まります。
ビットコインの場合は、オリンピックイヤーに半減期が重なっています。
※発行上限がない通貨、リリース時点で発行上限のコインを全て発行する通貨もあります。これらの通貨は価格を調整するため、運営者が不定期に一定量のコインをバーンしたり、ロックしたりするなどして流通量を調整しています。
バーン(償却)
仮想通貨の価値を維持・上昇させることを目的として、運営者がトークンの一部を永久に使えなくして供給量を減少させること。
Not your keys, not your coins:鍵を持たぬ者は、コインを持たず。
仮想通貨の世界でよく使われる表現。自分のウォレットに仮想通貨などの暗号資産を保管し、その秘密鍵を自分で管理してこそ、コイン(仮想通貨)の所有者と言える、という意味です。裏を返せば、取引所でウォレット、秘密鍵を管理してもらっている状態では、その資産は取引所の資産であるということになります。(従来の金融機関と同様に、取引所を信頼する必要がある)
銀行や取引所がハッキングされたり、破綻したら自分の資産の保証がない状態を嫌い、非中央集権化をよしとする信条をあらわしています。
ラグプル
日本語では出口詐欺ともいい、従来の投資・投機の世界では古典的なもので、投資を募る運営側が資金を持ち逃げするという詐欺手法。仮想通貨においては、開発者が初期投資家を誘い込んで売りつけた後、プロジェクトを放棄したり、仮想通貨販売で得た資金を持ち逃げする行為を指します。
語源は、ラグ(絨毯)を敷いておいて、その上に人がのってきたらいきなりプル(引っぱって)して、足元をすくう様子からきています。
ソフト・ラグプル
開発者や運営者に割り当てられたコインを現金化する行為、自分たちだけ高値で「売り抜ける」ような行為をいいます。
金融一般用語
暗号資産の世界でもよく使われる金融一般用語です。
ティッカーシンボル
取引所に上場する際、銘柄を一意に表すために付与されるコード。 企業名やその企業を代表する商品などを元に、アルファベット1~4文字程度で決められます。ビットコンはBTC、イーサリアムはETH、テザーはUSDT。
現物取引
暗号資産交換業者が提供する取引方法の1つ。法定通貨で仮想通貨を実際に購入・売却できます。
取引のたびに現金と仮想通貨の受け渡しを行います。自分の口座に入金した金額以上の仮想通貨を購入することはできません。売却する場合は自分が実際に保有している数量のみを売却できます。
信用取引/レバレッジ取引
暗号資産交換業者が提供する取引方法の1つ。損失時の決済に備える一定額の資金(証拠金)を担保に、それより大きな金額の取引が行えます。
仮想通貨を売買(新規注文と決済注文)したときの「差額の現金(日本円)のみ」を決済時に受け渡す「差金決済取引」となります。証拠金のレバレッジ倍率分(2021年4月28日以降は2倍が上限)の金額の取引が可能。
クジラ
金融市場における大口投資家のことを指します。ビットコイン市場におけるクジラは、1,000BTC以上保有する投資家を指す場合が多いです。
フラッシュクラッシュ
株価など相場が瞬間的に急落または急騰すること。通常の下落・高騰相場と違い、特定の取引所で数秒・数分の間に大きく価格が変動します。なお、短時間で元の相場に戻ることが一般的。大口の誤発注などで需給バランスが崩れることが原因となる場合が多いです。
仮想通貨でも過去何度かフラッシュクラッシュが発生しています。
スプレッド
相場の値段の開き、価格差、利回り差のこと。 サヤともいいます。
Arbitrage:アービトラージ/アビトラ
裁定取引。同じ商品に一時的な価格差が発生したときに次の一連の取引を行うことをいいます。
- まず、高値となっている場合は売り、安値となっている場合は買いの取引を行います。
- その後、価格差が小さくなったタイミングでそれぞれの反対の取引を行うことで儲けを出します。
アビトラはローリスクローリターンな取引とされています。
仮想通貨では、安い取引所で購入し高い取引所で売却するというシンプルな取引が一般的です。
ポジション
信用取引や先物・オプション取引、外国為替取引などで、手じまいされずに未決済のまま残っている約定のこと。
「建玉」ともいいます。買ったままで未決済の約定を買いポジション(買い建玉)、売ったままで未決済の約定を売りポジション(売り建玉)といいます。
サヤ
相場における価格の開きのこと。スプレッドと同義です。
順ザヤ … 相場感的に高いはずのものが高いこと または 安いはずのものが安いこと。
逆ザヤ … 相場感的に高いはずのものが安いこと または 安いはずのものが高いこと。
テンバガー
価格が10倍になった銘柄、なりそうな銘柄のこと。野球用語でバガーはヒットを意味し、一試合で10塁打(テンバガー)を記録するくらいの勢いで価格が急騰し、10倍まで跳ね上がる銘柄をテンバガーと呼びます。元々は株式市場で使われた用語ですが、仮想通貨の世界でも使われています。
Volatility:ボラティリティ
価格変動の度合いを示す用語。ボラティリティーが大きい商品は、投資対象としてはハイリスクハイリターンです。逆にボラティリティが小さい商品はローリスクローリターンの投資対象となります。仮想通貨は一般的にボラティリティが高いですが、ボラティリティを抑える目的でステーブルコインも開発されています。
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