ためしに安いNFTアートを買ってみたいのにガス代の方が高いんだけど、、
ガス代を安く済ませられないかな?
この記事でご紹介する方法を実践すれば、初心者でもガス代を節約できますよ!
記事前半ではそもそも「ガス代とは何か?」を、後半では「ガス代の節約方法」を解説します。ガス代が何かは知ってるよ、という方は記事前半は飛ばして、後半に進んでください。
そもそもガス代とは何か
ガス代とは、イーサリアムチェーンで取引する際に必要となる手数料のことを指します。詳しく見てみましょう。
イーサリアムのガス代とは?
イーサリアムに限らずブロックチェーン上の取引では、その承認のために取引データ(トランザクション)に対する計算処理(マイニング)が必要です。この時、マイナーに手数料を支払う必要があります。
イーサリアムの場合はこのマイニング手数料に加えてスマートコントラクトの実行手数料も必要になります。イーサリアムでは、これらの手数料を合わせてガス代と呼んでいます。
イーサリアムのガス代が高い理由
まず、イーサリアムのユーザーはガス代の最大値(ガスリミット)を任意に決めることができます。マイナーはこのガスリミット設定の高い取引データから順に承認作業を行います。
また、イーサリアムでは仮想通貨だけでなく、スマートコントラクトを利用したゲームなどDAppsの増加、NFTアートの盛り上りも受け、昨今アクティブユーザー数が大幅に増え、これに伴い取引量も増大しています。
つまり、取引量が増大したため、取引を早期に成立させるためにはガス代を高く設定する必要が生じ、結果としてガス代全体の高騰に繋がっているという訳です。
ガス代の単位
ガス代は高いといっても、ETHという単位で表すと0.000…と小数点以下にゼロがたくさん並んで判りにくいため、
ETHの最小単位であるweiや、gwei(ギガwei)が用いられます。
ETH、wei、gweiは以下の関係になります。
- 1 ETH = 1,000,000,000,000,000,000 wei(10億×10億wei、1×10の18乗wei)
- 1 gwei = 1,000,000,000 wei(10億 wei)
- 1 ETH = 1,000,000,000 gwei(10億 gwei)
例えば、ガス代が10,000 gweiなら0.00001 ETHということになります。
ややこしいですが、以下のサイトで換算できます!
Gwei to ETH (Gwei to Ethereum) | convert, exchange rate (cryps.info)
ガス代の算出方法
イーサリアムのガス代は以下の式で算出することができます。
ガス代 = 使用ガスユニット(リミット) × (ベースフィー + プライオリティフィー)
それぞれの項目を説明します。
使用ガスユニット(リミット)
取引を完了させるために使用するガスの最大量(最大ユニット数)。
ユーザーが任意に設定できます。
この値を、マイナーが取引を完了させるのに必要なガスの量よりも低く設定した場合、
取引が完了しないまま差し戻しとなりますが、支払ったガス代は戻ってこないので注意が必要です。
(マイナーはすでに取引を処理しており、その分の手数料がかかります)
通常の送金取引では、21,000ユニット必要となりますので、21,000以上の値を設定する必要があります。
(実際の取引完了後に残ったガス代は払い戻されます)
車に例えると、目的地に行くために給油するガソリンのリッター数にあたります。
ベースフィー
ガス1ユニット当たりの価格(単位:gwei)。
取引をイーサリアムチェーンに取り込む(承認する)ために最低限必要となるガス価格で、取引の内容に関わらず需要次第で決まります。
つまり、取引が多い時間帯は高く、少ない時間帯は安くなります。
車に例えると、リッターあたりのガソリン価格です。ガソリンも需要によって価格が上下しますね。
プライオリティフィー
取引を優先してもらうために、任意で支払う料金(単位:gwei)。チップとも呼ばれています。
マイナーはチップがいくらか確認できるため、高額なチップが設定されている取引を優先します。
算出例
Aさんが Bさんに 1 ETH を支払う場合を考えます。
送金取引で必要となるガスユニットは 21,000ユニットなので、使用ガスユニット(リミット)は21,000 ユニットを設定します。
送金時のベースフィー(ガスプライス)は、50 gweiでした。
Aさんはこれに、3 gwei のチップを追加します。
このときガス代は、
21,000 ユニット ×( 50 gwei + 3 gwei )= 1,113,000 gwei = 0.001113 ETH です。
AさんがBさんに送金すると、
Aさんのウォレットからは、1.001113 ETH が差し引かれ、
Bさんのウォレットには 1 ETH が入金されます。
マイナーは、0.000063 ETH( 21,000ユニット × 3 gwei ) のチップを受け取ります。
送金取引に使われたガス代 0.00105 ETH( 21,000ユニット × 50 gwei )は、焼却(バーン)されネットワークから削除されます。
なかなか難しいけどガス代が高い理由はわかったよ
全て覚えなくても大丈夫です。では、ここから節約方法を説明しますね。
ガス代を節約する方法4つ
ガス代を節約するためには、以下の方法を試してみましょう。
安い曜日・時間帯を利用する
前述のとおり、取引量が多いときほどガス代は高くなります。よって、取引の少ない曜日・時間帯を狙えばガス代が節約できるという訳です。
具体的には、下記サイトで曜日×時間帯のガス代相場のヒートマップを確認できます。このヒートマップの色の濃い曜日・時間帯は避け、色の薄い曜日・時間帯を狙うとガス代の節約に繋がります。
Ethereum Gas Price Charts & Historical Gas Fees – ethereumprice
ガスリミットを下げる
下記サイトで現時点の推奨ガス代が確認できます。これを参考にして、通常はウォレットが自動で設定しているガスリミットを自分で設定することで、想定外にガス代がかかることを防げます。
https://ethgasstation.info
※推奨より大分低い値とすると差し戻される恐れがあるため注意してください。
まとめて取引する
例えば、通常の送金取引の手数料は、送金額に関係なく一定です。
よって、同じ相手に送金する場合、こまめに送金するのではなく、ある程度纏めて送金し取引回数を減らすことでガス代も節約できます。
レイヤー2ソリューションを利用する
イーサリアムの「レイヤー2ソリューション」を利用することでもガス代を節約できます。
ポリゴン(Polygon)、アービトラム(Arbitrum)などのレイヤー2ソリューションは、
イーサリアムの、取引に時間がかかるという問題を解決するために誕生しました。
レイヤー2ソリューションは取引スピードを上げるため、イーサリアムチェーンの外側で取引を処理します。
処理が完了したあと、イーサリアムチェーンによって検証され、ブロックに取り込まれます。
イーサリアムチェーンでの処理は取引の検証と記録のみなので、
マイナーの処理も減り、その結果ガス代の節約につながるという訳です。
具体例としては、OpenSeaの取引において、ETHではなくPolygonを選択することなどがあげられます。
まとめ
本記事では、前半でイーサリアムのガス代について算出方法も含めて解説し、後半では高騰するガス代を少しでも節約するための方法を3つ解説しました。
- イーサリアムのガス代とは、マイナーに支払う取引手数料、スマートコントラクトの実行手数料。
- ガス代は、ユーザーやDAppsの増加に伴い高騰している。
- ガス代は、使用ガスユニット(リミット)×(ベースフィー+プライオリティフィー)で求められる。
- ガス代節約方法1:安い曜日・時間帯に取引する。
- ガス代節約方法2:使用ガスユニット(リミット)を下げる。
- ガス代節約方法3:まとめて取引する。
- ガス代節約方法4:レイヤー2ソリューションの利用を検討する。
この記事の節約方法をぜひ試して頂き、ガス代を節約しながら、仮想通貨取引、NFTアートの売買、DAppsなどをより楽しんでください。
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