【今さら聞けない】DAOとは?初心者向けに分かり易く解説

「DAO」、一般にはまだ耳慣れない言葉ですね。
ただ、少しでも仮想通貨に触れた人なら聞いたことはあると思います。
今後一般にも徐々に普及すると考えられる「DAO」について、この記事で理解を深めてください!

目次

DAOとは何か?

DAOは Decentralized Autonomous Organization の頭文字で、日本語にすると「分散型自治組織」です。

DAOは、従来の中央集権的な組織と異なり、ブロックチェーン上でプログラムされたスマートコントラクトによって自律的に運営されます。

これにより、組織内の意思決定や資金の管理が、透明性と公正さを重視した仕組みで行われるようになります。

また、参加者は自己責任で行動することが求められるため、従来の組織よりも柔軟で効率的に運営されることが期待されています。

DAOは、仮想通貨やトークンの発行や取引、資金調達、投票などに活用されることが多く、
分散型の自治体や非営利団体、オンラインコミュニティなどの形態で出現しています。

この記事を読むと分かること

  • DAOの歴史
  • DAOの種類
  • DAOのメリット・デメリット
  • DAOの活用事例と将来像
  • 今すぐできるDAOの始め方

記事を読み終わるころには、DAOとは何かを理解し、実践への第一歩を踏み出すことができるでしょう。

Cavi

では、早速解説していきます!

DAOの歴史

まずは、DAOの誕生までの出来事、誕生から現在までの発展の歴史をたどってみましょう。

2008年 bitcoin.org

DAOのアイデアは、2008年8月18日、ドメイン名「bitcoin.org」がインターネット上に登録されたことに遡ります。

Bitcoin.orgは元々、Bitcoinの最初の開発者である二人、Satoshi NakamotoとMartti Malmiによって登録され、所有されていました。

Nakamotoがプロジェクトを離れた際に、責任を分散し、特定の個人あるいは団体がBitcoinプロジェクトを簡単にコントロールする事を防ぐために、Bitcoin開発者とは別の者達にドメイン所有権を付与しました。

2014年 MakerDAO

2014年には、デンマークの起業家Rune Christensen氏が「MakerDAO」と呼ぶプロジェクトを開始しました。

仮想通貨を担保としてスマートコントラクトで米ドルにペグされたステーブルコインDai(1DAI≒1USD)を発行する自律分散型組織です。

2016年 The DAO

2016年には、イーサリアムブロックチェーン上で運営されるDAO「The DAO」が登場し、大きな注目を集めました。
このDAOは、投票によって意思決定を行い、ブロックチェーン上のスマートコントラクトによって投資や資金調達を行うことができるというものでした。

しかしその後、このDAOはハッカーによって攻撃を受け、莫大な資金が流出する事件が発生しました。
この事件は、ブロックチェーン技術がもつセキュリティの脆弱性を問題視されるきっかけとなりました。

2018年~ DeFiの普及

その後もDAOは進化を続け、2018年には分散型金融(DeFi)におけるDAOが注目を集めました。

イーサリアムブロックチェーン上で、仮想通貨レンディングサービス「Compound(コンパウンド)」、
分散型取引所「Uniswap(ユニスワップ)」が続けてローンチされています。

これらは、分散型の金融サービスを提供するプロトコルにおいて、コミュニティによって運営されるDAOを導入することで、より民主的な意思決定が行われることを目指すものです。

現在では、DAOはブロックチェーン技術の進化やデジタル経済の拡大とともに、ますます注目を集めています。

DAOの種類

DAOの分類方法としてはいくつかありますが、以下に代表的なものを挙げます。

プロトコルDAOとアプリケーションDAO

プロトコルDAOは、ブロックチェーンや仮想通貨などの基盤技術に対して適用されます。

アプリケーションDAOは、特定の目的を持ったプロジェクトやコミュニティに対して適用されます。

キュレーションDAOとビルディングDAO

キュレーションDAOは、既存のプロジェクトやアイデアの発展を支援することを目的としています。

ビルディングDAOは、新たなプロジェクトやアイデアを開発することを目的としています。

トークンホルダーDAOとステークホルダーDAO

トークンホルダーDAOは、トークンの所有者によって運営されます。

ステークホルダーDAOは、コミュニティの参加者が一定の権限を持って運営することができます。

中央集権的DAOと完全分散型DAO

中央集権的DAOは、ある程度中央的な管理者によって運営されます。

完全分散型DAOは、権限を完全に分散化した運営形態を持ちます。

これらの分類方法は、DAOの目的や運営形態などによって適用されます。しかし、一つのDAOが複数の分類に当てはまることもあります。

DAOのメリット

DAOの主なメリットは以下の3点です。

透明性と公正さの確保

DAOは、ブロックチェーン上でプログラムされたスマートコントラクトによって運営されるため、参加者はすべての意思決定や資金の流れを透明かつ公正な形で確認することができます。

これにより、従来の中央集権的な組織に比べて、参加者に対する信頼性が高まるとともに、紛争や不正行為のリスクを低減することができます。

参加者の自由度が高い

DAOは、参加者が自己責任で行動することが求められるため、参加者が自由度を持って運営に参加することができます。

従来の中央集権的な組織に比べて、参加者の制約が少なく、自己決定力が高いため、より柔軟かつ効率的な運営が期待できます。

分散化によるセキュリティの強化

DAOは、分散型の運営形態をとるため、セキュリティの強化が期待できます。

従来の中央集権的な組織では、システムの一部が攻撃を受けた場合、全体が影響を受けることがありますが、DAOでは、分散化された運営形態によって、攻撃を受けた一部のシステムが影響を受けるだけで、全体に被害が波及することを防ぐことができます。

DAOのデメリット

DAOは現段階ではまだ発展途上で、一般への普及もこれからです。そのため、現時点では以下のデメリットが存在します。

意思決定の遅延

DAOの意思決定は、参加者全員の合意が必要とされる場合が多いため、遅延することがあります。

また、意見の対立が生じた場合には、意思決定が停滞する可能性もあるため、迅速な意思決定が求められる場合には、適切ではない場合があります。

セキュリティの脆弱性

DAOは、スマートコントラクトによって運営されるため、そのスマートコントラクトに脆弱性があった場合、攻撃者によって不正行為が行われる可能性があります。

また、スマートコントラクトのプログラムが不備や誤りを含んでいる場合にも、運営に支障が生じる可能性があるため、そのリスクに対する対策が求められます。

規制の課題

DAOは、従来の中央集権的な組織に比べて、規制上の課題が存在する場合があります。

DAOは、分散型の運営形態をとるため、その運営に参加する者や、その目的に関する情報が分散しており、規制当局の監視が困難である場合があります。

そのため、規制上の課題があることを認識し、適切な対策を講じる必要があります。

DAOの具体的な活用事例

DAOは、様々な分野で活用されつつあります。以下に、その具体的な活用事例をいくつか挙げてみます。

分散型金融(DeFi)

DAOは、分散型ファイナンス(DeFi)において、プロトコルの管理や意思決定を行うために使用されます。

例えば、UniswapやAaveなどのDeFiプロトコルは、DAOによって管理されており、トークン保有者が投票に参加することで、プロトコルの改善や新たな機能の追加などの意思決定を行っています。

投票システム

DAOは、投票システムにも使用されます。例えば、政治的な選挙やコミュニティ内での投票などに使用されます。

DAOを用いた投票システムは、透明性が高く、改ざんや不正投票のリスクが低いため、信頼性の高い投票システムとして注目を集めています。

コンテンツ制作や分配

DAOは、コンテンツ制作や配布にも使用されます。

例えば、SteemやHiveといったブロックチェーン上のコンテンツ配信プラットフォームでは、コンテンツ制作者や投稿者がトークンを獲得し、DAOによる投票によって報酬が分配されます。

分散型組織の運営

DAOは、分散型組織の運営にも使用されます。例えば、Moloch DAOは、イーサリアムの開発者が参加する組織であり、プロジェクトに対する出資や意思決定を行うことができます。

DAOによって運営される分散型組織は、透明性が高く、参加者の自由度が高いため、柔軟で効率的な運営が期待できます。

代表的なDAO

代表的なDAOを以下にあげます。

  1. MakerDAO

    イーサリアム上の分散型金融プラットフォームであり、DeFi市場で最大手のDAOの一つです。
    MakerDAOは、ステーブルコインであるDAIを発行し、イーサリアムの保証金としてETHを受け取ります。

  2. Uniswap

    イーサリアム上の分散型取引所であり、DAOによって管理されています。
    Uniswapは、トークン交換のためのスマートコントラクトを提供しており、ユーザーは取引手数料を支払ってトークンを交換することができます。

  3. Compound

    イーサリアム上のレンディングサービスであり、DAOによって管理されています。
    Compoundは、ユーザーがイーサリアムの保証金としてETHを預け、ステーブルコインであるcDAIを受け取ることができます。

  4. Aave

    イーサリアム上の分散型金融プラットフォームであり、DAOによって管理されています。
    Aaveは、ユーザーがイーサリアムの保証金としてETHを預け、ステーブルコインであるaDAIを受け取ることができます。

これらのDAOは、分散型金融やブロックチェーン上のプロジェクトに関連するものが多いですが、他にも様々な分野で活用されています。

DAOの法的な位置付け

DAOの法的な位置付けについては、現在はまだ法的に確立されたものではありません。

これは、DAOが従来の企業や組織とは異なる運営形態を持ち、ブロックチェーン技術に基づく自律的な仕組みを備えているためです。

しかしながら、DAOが活発に用いられるようになってきたことから、世界中の法制度がDAOをどのように扱うかが注目されています。

現在、いくつかの国では、DAOを法的に認めるための枠組みを整備する動きが見られています。

例えば、米国では、2021年12月にSEC(証券取引委員会)がDAOトークンを証券とみなす考え方を示し、DAOが証券法に基づく規制の対象になる可能性があることを示唆しました。

また、スイスでは、2020年に「DAO法人」という概念が法律上認められ、DAOを法人として扱うことができるようになりました。

しかし、DAOが透明性や非中央集権性を重視することから、従来の法的枠組みに当てはめることが困難な場合もあります。

今後、DAOが一層普及するにつれて、DAOの法的な位置付けについての議論が深まっていくことが予想されます。

DAOの将来像

DAOの将来像については、以下のようなものが考えられます。

より多様な分野での活用

現在は主に分散型金融(DeFi)に関連するプロジェクトで活用されていますが、将来的には他の分野でも活用されることが予想されます。

例えば、DAOを使って企業経営の意思決定を行う場合や、自治体の運営を行う場合などが考えられます。

より多様なガバナンスモデルの採用

現在は主に1人1票の民主的なガバナンスモデルが採用されていますが、将来的にはより多様なガバナンスモデルが採用されることが予想されます。

例えば、株式会社のように持分に応じて投票権が異なる場合や、評議会制を採用する場合などが考えられます。

DAO同士の相互運用

現在はDAOが単独でプロジェクトを運営することが多いですが、将来的には複数のDAOが協力してプロジェクトを運営することが予想されます

。例えば、あるDAOがプロジェクトの開発を担当し、別のDAOがプロジェクトのマーケティングを担当するなどが考えられます。

ユーザー参加の促進

現在は比較的技術的なユーザーが中心ですが、将来的にはより多くのユーザーがDAOに参加するようになることが予想されます。

例えば、スマートフォンアプリを通じて簡単に参加できるようにするなどが考えられます。

DAOの始め方

ここまで読み進めて「今すぐDAOに参加したい!」と思った方もいるかもしれません。

今すぐDAOに参加するには、以下のステップを実行しましょう。

DAOを選ぶ

まずは、自分が参加したいDAOを探しましょう。

代表的なDAOには既にご紹介した、MakerDAO、Uniswapなどがありますが、より身近な国内のDAOから始めるのもいいでしょう。

組織運営(ガバナンス)参加の方法を確認する

DAOによって、意思決定などの組織運営に関わる方法が異なります。

例えばMakerDAOであれば、ガバナンストークンMKRの入手が必要となります。以下、国内の例として「Palette」の場合を紹介していきます。

Paletteとは?

Paletteとは、株式会社HashPalette(ハッシュパレット、本社:東京都港区)が2021年にローンチした、デジタルアイテムの発⾏・管理・流通に特化したブロックチェーンです。

ネイティブトークン「PLT」は、NFTマーケットプレイス「PLT Place」でのNFT売買に使うことができます。

Paletteで運営(ガバナンス)に参加するためには?

Palettでは、コンテンツホルダーがコンセンサスノードとなることでルールメイクに参加することができます。

または、保有するPLTをパレットコンソーシアムの特定のメンバーに委任することで、ガバナンスに参加することが可能です。

委任とは、⾃らが保有するPLTを特定のノードにロックすることを指します。

Paletteでの運営参加手順

まずは、PaletteのネイティブトークンPLTを入手しましょう。

国内の暗号資産取引所でPLTを扱っているのは「コインチェック」です。

コインチェックで口座を開設

まずは、以下の記事を参考にして、コインチェックに口座を開設してください。

日本円を入金する

つづいて、以下の記事を参考にして、コインチェックの口座に日本円を入金してください。

PLTを購入する

日本円が入金できたら、以下の記事を参考にPLTを購入しましょう。

ウォレットを導入する

つづいて、以下の記事を参考にウォレットを導入します。

PLTをウォレットに送る

最後に、以下の記事を参考にして、PLTをウォレットに送金してください。

以上で、Paletteでの運営参加の第一歩の準備ができました。
このあとは、以下のホワイトペーパーを一読して、運営(ガバナンス)参加の基準やルールを確認しながら、運営への参加にトライしてみてください!
HashpalettePaper.pdf

まとめ

DAOはまだ発展途上の分野ですが、今後徐々に採用する組織が増えることが予想されます。

今のうちから理解を深めておくことでこの先の組織の在り方がどのように変わっていくか予想する手助けになることでしょう。

記事を読んで得た知識だけでは、充分に理解したとは言えないかもしれません。

まずは体験してみることをお勧めします。上記の手順を参考にして是非挑戦してみてください。

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この記事を書いた人

東京都在住、会社員、NFTウォッチャー・コレクター

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